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赤ちゃんが使ったスプーン

離乳食がはじまりスプーンを使いはじめると、最初はママに食べさせて貰っているのですが、だんだんと成長するにつれて自分でスプーンを持ちたがるようになります。
ぽろぽろとこぼしながら、ほとんど口にごはんが入っていなくても、ニコニコとパパやママと同じように自分で食べるようになって、テーブルも服もこぼれた料理だらけになって、それでも楽しそうに食べています。
ときどき、スプーンは太鼓のバチになったり、ミニカーの荷物になったりします。
銀のスプーンはステンレス製のものなどに比べて、柔らかい素材なので赤ちゃんがつけた小さな傷がだんだんと増えていきます。
私はその傷もとても大切な思い出になるのだと思っていて、この子が大きくなった頃に今を懐かしんで、そのスプーンを眺める事を想像しています。
こうやって銀のスプーンは子供と一緒に成長して、使っていても使っていなくても、傷がついたり、変色したりして時を刻んでいきます。そして何十年も過ぎた頃に、いろいろな思い出を思い出すきっかけになってくれるんです。
今からほんの3年前の写真を見ても、「懐かしい」と感じたり、「あの頃はこうだった」なんて思う事も多いのではないでしょうか。子供がいるとなおさらです。子供はたった3年でもすごく成長しますし、顔も変わってきますよね。
そしてなぜか過去を思い出している時というのは、のんびりと時間が流れ、穏やかな気持ちになっているのではないでしょうか。
銀のスプーンはそんな思い出に浸る時間への鍵にもなると考えています。

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