私のお雛様

このお雛様、私が私のために作ったお雛様です。
おっとりとしたやさしそうな顔立ちでしょ?
このお顔に惚れ込んで作りました。
割合きついイメージのある私は、いつもこんなふうに穏やかでいたいという願望からこのお雛様を作りました。
木目込みの立ち雛なんです。
お人形って不思議なんですよ。
木目込みはほとんどの場合が、顔は出来上がっているものを使います。
同じ材料を使って同じ人形を作ると、誰が作っても同じになると思うでしょ?
ところがこれが大違いなんですよ。
全く同じ顔を使っても、作る人によって、またその時の作り手の気持ちの持ち方によって表情ががらりとかわってきます。
ちょっとうつむき加減にすれば寂しい感じに、首を傾げると可愛くなったり、ちょっと顎を上げてやると明るくあどけない表情に…などなど。
古い市松人形を見ると怖いと感じる時があるのですが、それって作り手の魂が込められているからなんでしょうね。
人形でさえも表情に感情が表れるくらいですから、まして人間は隠しても隠し切れない心がその表情に表れるんでしょうね。
そう思う度、常に気持ちを穏やかに保ちたいと願うのですが、いかんせん人間ができていないものですから顔に喜怒哀楽が全部出てしまいます。
この機会にじっくりとこのお雛様と向き合い、このような穏やかで優しい気持ちでいられるよう、人間修行をすることにします。







































